尾道は市街地と向島を隔てる尾道水道の恵みによって育まれてきた港町です。幅が狭い水道で、海の川とも称された尾道水道は中世より重要な交通路として多くの船で賑わい、江戸時代には北前船も寄港。尾道は港町として大いに発展しました。
では「箱庭のような都市」とはどのような町なのでしょうか。それは斜面地から見ると一目瞭然。坂道を抜けて見下ろすと、蛇行して川のように流れる尾道水道と三山に囲まれた空間に寺院や民家がひしめき合う独特の景観を眼下にすることができます。
そう、尾道は海と山の間の限られた空間に何世代にもわたって育まれてきた、箱庭のような町並みが特徴なのです。
町には民家と共に中世以来の国宝や重要文化財の建物が混在しており、それらを結ぶ路地や坂道が入り組み、情緒ある尾道の景観や文化を作り出しています。この風光明媚な町並みは多くの文人墨客に愛されてきました。
日本遺産の構成資産は
坂道と路地の景観、国宝の浄土寺本堂や多宝塔、西國寺仁王門、金堂・三重塔、西郷寺本堂・山門、天寧寺塔婆、阿弥陀三尊像(磨崖仏)、常弥寺本堂・観音堂・大門・鐘楼、旧福井邸、みはらし亭、西山本館、竹村家、旧尾道銀行本店(歴史博物館)、旧尾道商業会議所、持光寺の絹本著色普賢延命像、爽籟軒庭園(そうらいけんていえん)、吉和太鼓踊り、ベッチャー祭、住吉祭です。
潮風薫るなか、迷路のような路地や坂道に足を踏み入れれば・・・。中世以降の趣を残す町並みや文化財が織りなす歴史ストーリーを体感することができます。
海の見える寺として知られる浄土寺は、聖徳太子の創建と伝えられる名刹で、14世紀再建の本堂と多宝塔は国宝です。この多宝塔越しの海の景色も格別です。また、斜面地を歩いていると出会うのが築100年の別荘建築のみはらし亭。みはらし亭は外観はそのままにゲストハウスとして生まれ変わりました。ここからかつて豪商も眺めた尾道水道が広がる絶景を眺めてみてはいかがでしょう。
斜面地では重厚な中世の塔が眼前に広がります。この天寧寺の塔婆は尾道の代表的な景観のひとつとなっています。
尾道は歩けば歩くほどノスタルジー空間に迷い込んだかのような懐かしい気分に出会える、そんな不思議な町です。あなたも尾道の箱庭探検に出かけてみませんか。
(尾道の観光について)尾道観光協会0848-37-9736