レポート
2016.09.20

呉市の倉橋島「長門の造船歴史館」

海が大好きで、古代の海のロマンに触れてみたい! という人は、呉市の倉橋島南部に位置する倉橋町を訪れてみましょう。日本の渚百選にも選ばれた白砂青松が広がる桂浜を臨む海岸沿いに「長門の造船歴史館」があります。

同館に入るとまず目にとまるのは、朱色と白のコントラストが鮮やかな実物大に復元された遣唐使船。
「遣唐使」といえば、7~9世紀に唐(現在の中国)に派遣された日本の使節。遣唐使船で往来しましたが、当時は遭難することも多く命がけの船旅だったそうです。

その遣唐使船の復元がなぜ倉橋町にあるのかというと、じつは倉橋町は造船業で栄えた町。一説によると遣唐使船や豊臣秀吉の命で軍船をここ倉橋の地で建造したともいわれ、江戸時代のドック跡も残されています。
こうした歴史もあり1989年、倉橋の船大工らが昔の絵巻物に描かれた遣唐使船を参考に、船を復元しました。全長25メートル、全幅7メートル、マストの高さは17メートルという堂々たる船で、屋形も設けられています。船内に入ることもできるので、1200年前の姿の船を体験してみてはいかがでしょう。館内には遣唐使船についての解説もありますので、しばし古代の船旅に思いを馳せてみてくださいね。

同歴史館には他にも古代から現代までの木造船の模型をはじめ、造船と海運、倉橋町の歴史に関する資料が展示されています。

木造船のミニチュア模型も数多く展示されています。古代の船や秀吉の軍船をはじめ、江戸時代の弁財船や津和野藩の「関船」、大名の豪華な御座船、西洋型帆船、農耕船、中国船など「こんな船もあったの?」と驚くようなものもあります。映像や模型で、船の構造を紹介しているコーナーもあり、船も知れば知るほど面白いですよ。

(データ)
長門の造船歴史館
呉市倉橋町171-7
0823-53-0016
開館時間 9時~16時30分
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料 一般400円 高校生240円 小中学生160円(倉橋歴史民俗資料館とセット料金 )       (アクセス)呉市街から車で約50分

外観

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