先月29日、広島市の飲食店で生の魚介類を食べた1人が腹痛を訴えアニサキスが摘出されるなど、
広島市は先月発生したスーパーと飲食店合わせて3件のアニサキスによる食中毒を発表しています。
そもそもアニサキスとは、
▽サバやアジなどの魚介類に寄生する寄生虫の一種です。
▽長さは2~3センチ、幅は0.5~1ミリくらいで目視できる大きさです。
▽アニサキスが寄生している魚介類を生で食べると、胃や腸に入って食中毒が起こり、激しい腹痛やおう吐などの症状が出るとされています。
2月にアニサキスで食中毒 神奈川県在住(30代)
神奈川県在住の男性は、ふだんから週に1回のペースで釣りに行くという大の釣り好き。
しかし、ことし2月、自分で釣ったある魚にアニサキスが入っていたといいます…。
「サバですね」
― どのように調理して食べた?
「3枚におろして、塩にちょっとつけて、酢でしめて食べました」
「飲んで寝て、夜中に激痛が走って、『あ、もうアニサキスだ』と思って大きな病院に電話して、家内に車で連れて行ってもらって…」
「ドリルで胃壁をグリグリやっているような感じです。もう耐えられないですね」
寄生虫などの微生物について50年近く研究を続ける専門家は…。
広島国際大学 板羽秀之教授
「温暖化によって海水の温度が上がって、イワシなどがたくさんとれるようになったのが、増えた原因のひとつ」
もし、アニサキスが体内に入ってしまったらどう対処したらいいのでしょうか?
板羽教授
― 痛みを取り除くには?
「内視鏡でとるしかない。最悪の場合は外科的手術ということもある」
安全に、おいしく魚をいただくために必要なことは…。
板羽教授
― 酢でしめたらだいじょうぶ?
「食酢は一切、効きませんので、しめさばとかは全然、効果ないですね」
「よくかめばアニサキス自体が死にますので、だいじょうぶ」
「温度にも弱いですから60℃で1分以上加熱すればアニサキスは死にます。
あるいはマイナス20℃で24時間冷凍すれば、アニサキスは死にます」
▽ アニサキスが胃の中に入ったら、4~5日程度で死ぬとされていますが、そんなに待っていられないくらいの痛みが襲ってくるので、やはり予防が大事です。
▽ よくかむ・加熱・冷凍などはもちろん、目視で確認することができる大きさですので、自分の目で確認することも大切です。