「海のミルク」ともいわれる栄養が豊富でヘルシーなカキ。広島はカキの産地として知られ、波間に浮かぶ牡蠣いかだは広島湾ではおなじみの光景です。
広島のなかでも宮島と対岸の大野に挟まれた「大野瀬戸」(廿日市市)は、カキの産地として有名です。ここは宮島から流れ込む天然水によりカキの成長に必要なプランクトンが豊富。その上、大きな干満の差などもあり、大粒で身が締まり、旨味がギュッと詰まったカキが特徴です。
その潮が流れる様子が「海の道」を想像することから、この地域は「大野瀬戸かき海道」と呼ばれています。
そしてJR宮島口駅から西へ約10キロの間の沿岸の国道2号線沿いの「大野瀬戸かき海道」区間では、カキの生産者およそ30社が並び、大野瀬戸や宮島沖一円で育てたカキの直売や全国発送を扱っています。生産直売だから新鮮さはもちろん、それぞれがこだわりを持っているので個性も味も違います。
干潟を利用した昔ながらの養殖方法で芳醇な風味と甘さを醸し出す「安芸の一粒」や、大粒かきのかき小町のなかでも、とくに大野瀬戸で育まれた「大野瀬戸かき小町」などを扱う店も。自分のお気に入りのカキを見つけてくださいね。
また、浜焼きコーナーやカキ料理が食べられるお店もあります。ここで楽しんでほしいのは自分で焼いた殻付の焼きガキ。カキは最初に平たい殻の側を下にして焼き、のちにひっくり返すとおいしくいただけます。途中でパーンと大きな音を立ててはぜることもあるので気をつけて。殻を開くとぷっくりした身にしみ出した汁。プーンと漂う磯の香りがたまりません。プルンプルンのカキをしっかり味わってくださいね。
生産者が並ぶ場所は、JR宮島口駅~前空駅~大野浦駅の少し先までの区間に並行する国道2号線沿いになります。大野浦駅側よりさらに西の国道沿いにある「大野瀬戸かき海道」の看板が目印。そこから海を眺めながら前空、宮島口方面へ車を走らせてみてください。