海と日本プロジェクトin広島実行委員会は、公募で集まった県内の小学5年生・6年生20名で、7月23日(土)に「瀬戸内こども調査団in大崎上島~育て海ごころ!わたしたちの海を守る」を開催🎵
調査団一行は、「里海」とはどんな海のことかを学ぶため、瀬戸内海に浮かぶ、船でしか渡れない島「大崎上島」で調査イベントを実施しました🚢
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として開催しました❗
今回調査団の活躍の舞台となったのは「大崎上島」。
島全体、島民をあげて、古くから大切に守ってきた島の海を「里海」として改めて見つめなおし、次世代に引き継ごうとしています🎵
そうした大崎上島の「里海」を舞台に、調査団の子どもたちはまず、島の変化に富んだ自然海岸「大串海岸」で干潟と磯の生物を調査・観察しました🐠
講師の くやみつお先生(広島干潟生物研究会)の指導で子どもたちが特に熱中したのが「スナガニ」の捕獲と観察。
広島県の絶滅危惧種である「スナガニ」の巣穴を見つけてカニを捕まえて観察を始めたところ、
「スナガニ」が巣穴に入ると折りたたむという眼の仕組みを知り、子どもたちは思わず「かっこいい!」と声を上げていました🦀
また、広島県で「スナガニ」が絶滅危惧種になった理由を考えることで、子どもたち自らが環境の変化によるものだという答えを導き出し、納得した様子でした。
大崎上島が誇る「里海」の豊かな生態系を体感するとともに、その豊かな自然が昔に比べると人間による開発などで変化してしまっていることも学びました👍
次に子どもたちは、シーカヤックの漕ぎ方を教わった上で、すぐ沖に自生するアマモの群生する藻場まで自らシーカヤックを漕いで調査・観察に行きました🚣♂️
中には上手に漕げず苦戦した子もいましたが、アマモ場のすぐそばまで近寄って、箱眼鏡でのぞき込んで観察🧐
ベテランインストラクター金原さんから
「アマモは藻ではなくて、『海草』であること」
「種で増えるのに加え『地下茎』でも増えること」
「大崎上島のアマモ場は瀬戸内海でも有数の規模であること」
「このアマモの森は魚の産卵場所に最適で、稚魚もその中で育つので『海のゆりかご』と呼ばれていること」なども学びました♪♪
今回は、島にある全国に5か所しかない国立の船乗りを養成する学校「広島商船高等専門学校」が誇る練習船「広島丸」が、調査団の学習(研究)の拠点となりました🚢
早速船内の教室で特別授業開始❕
まずは、くや先生による「豊かな里海を支えるプランクトン講座」。
自然海岸やアマモ場の調査・観察で海の生物や、それを支える藻場のことを知った子どもたちは、さらに、里海の海水の中で海の生態系を底辺で支える「プランクトン」を顕微鏡を使って観察🔬
このプランクトン、実はこの日のアマモ場観察の間に、くや先生とインストラクターがプランクトンネットを使って採集してくれた“採れたてぴちぴち❕イキのいい”プランクトンたち。
簡易顕微鏡と本格的な双眼実体顕微鏡をのぞき込んで、見えるミクロの世界に驚く子どもたち。
資料の図鑑と見比べて、どういう種類のプランクトンなのかを探します♪
そして先生の説明で、特に植物プランクトンは海水の中の汚れを食べ、加えて、アマモと一緒で光合成によって地球温暖化の原因である二酸化炭素を取り込んで海の中に酸素を供給。多種多様なプランクトンがバランス良く海水に存在するには、山や森からの栄養素が海に流れてくる必要があることも教わりました🎵
「里海」の生き物たちが良い状態でいるためには、多様なプランクトンが元気でいる海である必要があることも学びました❗
急きょ予定が変更となり、2日目の調査、学習が行えなかった調査団の子どもたち。
しかし、彼らの活躍はここからが本番♪
夏休みの間に、大崎上島の「里海」で学んだことをしっかり整理して、9月中旬には広島市内でその学びの成果「里海新聞」をプロのライターのアドバイスを受けながら書くイベントを行います。
さらに大崎上島の「里海」をテーマにした絵やイラストを描くことにも挑戦❕❕
彼ら一人一人オリジナルの「里海新聞」は、10月中旬から約1か月間、広島電鉄の路面電車に掲出予定。
この車両は、子どもたちが描いた「里海」の絵やイラストがラッピングされた「世界唯一の里海特別電車」として、広島市内をはじめ、世界遺産・厳島神社のある宮島へ向かう路線も走る予定です🚋