一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、10月14日(土)~15日(日)の2日間、公募で集まった小中学生55名(宿泊コース・日帰りコース合計)を対象に、帆船の体験乗船を通して 海のことや船のことを学ぶイベントを開催しました。
このイベントは、「海と日本プロジェクトin広島」と内航海運の業界団体「中国地方海運組合連合会」が共催したもの。
神戸を母港とする海洋教育のための帆船「みらいへ」の乗船体験を通して、広島の海を五感で感じながら、海や船の役割、船で働くことについて学びました。
まずは、帆船「みらいへ」で出航!実際に広島湾に出て海を五感で感じる
今回、公募で集まった子どもたちのほとんどが、帆船に乗るのは初めてでした。
緊張の表情で集った参加者でしたが、「みらいへ」が沖へ出て多種多様な船とすれ違うごとに、その表情はこの日の広島湾の海面のようにキラキラし始めました。
みんなで力を合わせてロープを引く「セイル展帆」では、畳50枚分以上の巨大な帆が風を受けてピンと張ったとき、子どもたちからは拍手が湧き起こりました。👏👏👏
船上での食事🍴では、司厨長が腕によりをかけて作った料理を、晴天の中🌞メインデッキ上で風を受けながら食べました❕🍛😋
私たちの生活に重要な役割を果たす「内航海運」について学ぶ
食事の後は、気持ちを切り替えて「内航海運とは❔」というテーマで、メインデッキ上の「青空教室」で座学を実施。
そこでは、私たちの生活に内航船が果たしている重要な役割や船員の皆さんの船上生活などについて学びました。
そして、海で働く船員になるには専門の学校で学ぶという道があることも知りました。
質問タイムでは、子どもたちからの質問が続々😲
「船員さんのお給料は❔」というドキッとする質問に対しても、講師は大真面目に答えを返してくれました👍
さらに、「帆船みらいへは何を運んでいるの❔」という質問に対して、船長は「夢と希望と勇気かな😉」とおどけながらも、帆船「みらいへ」が果たしている海洋教育の役割を説明。
海の上での帆走中に船の役割や船で働くことを学ぶ、まさに「アクティブラーニング」を実践した有意義な学びとなりました。
学んだ後は船員としての体験プラグラムを実践!
座学の後は、「みらいへ」のスタッフが用意した多様な「船内体験プログラム」を体験。
海の基本 “ロープワーク” につながるロープクラフトや、メインデッキ上でヤシの実の殻を使ってカーリングのように得点を競うデッキゲーム、
実際に操舵を体験をする操船体験、帆船の舳先にハーネスをつけてよじ登るバウスプリット渡りなど、さまざまな体験を通して子どもたちは船乗り気分を満喫🎵
腹ペコな船員たちが待ちわびた夕食の時間では、夕日の中、メインデッキで食べる子どもが続出😋限られた時間の中で、少しでも長く海に近い場所で過ごしたいと楽しんでいるようでした。
非日常な帆船内での生活を堪能した子どもたち
入浴後は、あいにく星が見られない曇天だったため、メスルームで昔ながらの天文航法を学ぶため、実際に「みらいへ」に備え付けの六分儀を交代で手に取り、みんなで「大航海時代」に想いを馳せました。
一部の子どもたちの中で、予想以上の期待の声があった夜釣り🎣では、チーム対抗で釣果を競いましたが、結果は全員で2匹🐟🐟と、朝食の足しにはならず、海へリリースしました。
就寝直前の1日を振り返るミーティングでは、みんなで楽しかった体験を発表した後に、
司厨長からサプライズでワッフルが配られ、みんな幸せな表情で船室へ向かいました😍
初めての体験で疲れていたのか、大人たちの心配をよそに、予想より早く全員眠りに落ちました💤💤
帆船での生活、海での貴重な時間から子どもたちが得たものは?
2日目はとてもきれいな朝日の中、メインデッキで体操をした後に、お世話になった「みらいへ」のメインデッキをヤシの実と海水を使って清掃(デッキウォッシュ)しました。
朝食は、「みらいへ」での最後の食事。
多くの子どもたちが、残りの時間を惜しむかのようにメインデッキで食べていました。
広島港へ戻る船内では、すっかりおなじみになった操舵室で海図を見せてもらう子や、
仲良くなったクルーやお世話係の広島商船高専の学生と海を見ながら語り合う子、
このイベントで仲良くなった同士で彼らだけの世界に浸る子など…各々かけがえのない時間を過ごしました。
解散前には、寂しさで涙する子も😢
子どもたち一人一人が、理屈ではなく五感で海を感じ、船のすばらしさと私たちの生活との切っても切れない関係を実感できたイベントとなりました。
そして、将来、海洋国家日本を船員として支えてくれる人材が、今回のイベントの参加者から一人でも多く生まれてくれればと強く祈っています。
参加した子ども・保護者からの声
☆調査団の子どもから
・絶対他で体験できないことを体験できた。
・船で働く仕事の大変さが分かった。
・船(内航船)が無いと自分たちの生活が送れないことを初めて知った。
・バウスプリット渡りは最初怖かったけど、できたら自信が出て、ずっと(舳先に)居たいと思った。
・来年もやりますか❔ 仲の良い子が来られなかったからその子と来たい❕
☆保護者から
・子どもにとって、一生の思い出に残るような素晴らしい体験ができ、本当に感謝しています。
・事務局の皆様、中国地方海運組合連合会の方々、帆船みらいへの船員の方々、(商船高専の)学生さん達が寄り添っていただき、安心して子どもをお任せすることができました。