鞆の浦は幕末の志士にして海を駆け巡った坂本龍馬ともゆかりの深い場所です。鞆の浦のシンボル、常夜燈のすぐ手前には「大蔵」と呼ばれる江戸時代の蔵があります。じつはここ、いまでは鞆の浦と坂本龍馬とのかかわりを物語る「いろは丸展示館」です。
坂本龍馬は「いろは丸」という船を使って海運業務を始めましたが1867年、このいろは丸と紀州藩の船が鞆の浦沖で衝突。いろは丸が海底に沈没して鞆の浦で賠償交渉が行われました。
展示館は、このいろは丸事件に関連する遺物や写真などを展示しています。
なかでも見どころは沈没状況のパノラマ。海底20メートルに沈むいろは丸の一部の原寸70%でわかりやすく紹介しています。
さらにはひきあげられた古伊万里茶碗、鉄板など遺品の数々も展示されていますが、龍馬が船に乗せていたと主張した鉄砲や金塊は見つかっていないようです。龍馬のはったりでなければ、まだ海の底にお宝が眠っているのかもしれませんね。
2階ではなんと龍馬に出会うことができます!といってもじつは等身大の人形。衝突事件の際、龍馬らが隠れたという枡屋清右衛門宅の一室が再現されています。
鞆の浦には龍馬ゆかりのスポットはまだほかにもあります。とくに交渉場所のひとつとなった「福禅寺・対潮楼」は見逃せません。この客殿から見る海に浮かぶ穏やかな島影がじつにすばらしくまるで額縁から絵を眺めているかのようです。かつてここに泊まった朝鮮通信使たちが眺めを絶賛したのも納得の情景です。
港町で龍馬の軌跡をたどってみるのも面白いのではないでしょうか。
(データ いろは丸展示館)
福山市鞆町鞆843-1
084-982-1681
開館時間:10時~17時
休館日:無休
入館料:小学生以上200円
イベント名 | いろは丸展示館 |